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アロペシアX 第4回 「当院での治療」 NEW

皮膚科/耳鼻科

このポメラニアンは、
お尻からしっぽにかけての脱毛が
目立ちます。
皮膚も黒くなっています。
色素沈着といって、
アロペシアXでよくみられる症状です。




アロペシアXの治療の選択肢
ミノキシジル
ミトタン
デスロレリン皮下インプラント
マイクロニードリング
メラトニン
トリロスタン

前回の「アロペシアX 第3回」で紹介した
根拠のあるアロペシアXの治療法です。
前回は、
ミノキシジル、ミトタン、デスロレリン皮下インプラント、マイクロニードリングについて
説明しました。

今回は、
メラトニンとトリロスタンについての説明です。

実際に当院で行っている治療は、
このメラトニンとトリロスタンを用いたものです。

そうなんです。選択肢として挙げたものの、
ミノキシジル、ミトタン、デスロレリン皮下インプラント、マイクロニードリンについては、
扱っていません。
理由は、「アロペシアX 第3回」を読んでください。




当院では、
アロペシアXと診断した際の
治療の第一選択はメラトニンです。

メラトニンの投与は、
多くの病院で行っていると思います。

このメラトニンは、
副作用の心配がなく、
治療を始め易いことが
最大のメリットです。

効果はというと、
約40~55%で
毛が生えると報告されています。

半分くらいで有効。
2頭治療をすれば、
1頭は毛が生える。

効果判定の期間は、
60~90日とされています。

そこを基準に、
当院では、メラトニンを始めて、
3~4か月間治療を継続し、
毛が増えればそのまま治療を続け、
4か月経過しても毛が生えなければ、
メラトニンによる治療を終了します。
それ以上メラトニンを続けても、
効果は期待できないからです。



余談ですが、
アロペシアXで診察に来らた方で、
「メラトニンを1年以上続けていますが、
 脱毛が治りません」
との話を聞くことがありました。

そのような場合、
すぐざま次の治療に移ることができます。




メラトニンを90日以上投与しても、
脱毛に改善がない場合、
次の治療の選択肢として
トリロスタンを提案しています。

トリロスタンは、そもそもは
クッシング症候群の治療薬ですが、
種々のステロイドホルモンの合成を抑える働きがあります。
その働きから、
毛を休止期から成長期へと移行させることが示唆されています。

トリロスタンに関しては、
報告がいくつかあり、
ある論文ではアロペシアXに対して、
85%~100%で
効果があるとされています。

ちなみに、
詳しく言うとその論文では、
ポメラニアンで85%、
トイ・プードルで100%
で効果があったようです。

余談ですが、
トイ・プードルも
アロペシアXになります。

効果判定は、
4か月です。。

副作用の懸念はあるものの、
報告されている論文中では
副作用が起こったことはないようです。
が、
この副作用の懸念が先行しているのか、
トリロスタン療法を行っている病院は、
少ないように思います。


今回のまとめ
当院での治療プラン
まずメラトニンの投与
それでだめなら、トリロスタンの投与