ワクチン・寄生虫予防(予防薬)
vaccine, parasite prevention
ワクチン
予防接種はどうして必要なの?
病気の原因となる病原体は目に見えないため、どれだけ気をつけていても完全に防ぐことは難しいです。
ワクチンは命にかかわる病気(伝染病)を予防するために開発されました。もちろん、万能というわけではありませんが、まずはワクチンがある病気を防ぐことが大切です。
ワクチンによって十分な免疫をつけておけば、安心して散歩やお友だちが集まる場所に出かけたり、人と楽しくコミュニケーションをとることができます。
予防接種で期待できること
- 体内に抗体ができることで、その病気にかかりにくくなります。
- 摂取後、感染症にかかっても軽度で済みます。
- 他の子への感染を抑えることもできます。
年1回、追加ワクチンに行くことでさらに病気の予防になります。また、診察してもらうことで、他の病気の早期発見につながることもあります。 他にも、年に1回追加ワクチン接種に来院し、診察を行うことで他の病気の早期発見にもつながります。
手術可能時期の目安
ワクチン接種後にアレルギー反応を起こす事がまれにあります。
可能性は低いながら、アナフィラキシーショックという重篤なアレルギー反応を起こす事もあります。アナフィラキシーショックは通常接種直後~30分以内に発生するため、可能な限り午前中の接種をお勧めしています。
犬・猫の予防接種
長生きをして欲しい、その想いは飼い主様全員が共通です。
人と同じように、『予防』は長生きするうえで、必要なことです。予防接種で防げる病気がありますので、詳しくは下記よりご確認ください。
犬の予防接種
混合ワクチン接種
混合ワクチン接種で予防できる犬の病気
混合ワクチンは、ワンちゃん同士でうつる伝染病のうち、ワクチンで予防できる複数の病気を、1本の注射でまとめて予防するためのワクチンです。
混合ワクチンの接種には法的義務はないため、飼い主様の任意接種ですが、接種することで感染を防げる伝染病の中には、感染力が非常に強く命に関わるものがあるため、接種をお勧めしています。
対象となる感染症 |
混合ワクチンの種類 |
6種 |
10種 |
犬ジステンパー |
○ |
○ |
犬伝染性肝炎 |
○ |
○ |
犬アデノウイルス(2型)感染症 |
○ |
○ |
犬パラインフルエンザウイルス感染 |
○ |
○ |
犬パルボウィルス感染症 |
○ |
○ |
犬コロナウイルス感染症の予防 |
○ |
○ |
犬のレプトスピラ病血清型カニコーラ、イクテロヘモラジー、グリッポチフォーサ及びポモナ
|
○ |
○ |
狂犬病ワクチン接種
狂犬病ワクチン接種で予防できる犬の病気
ご存じの方も多いと思いますが、狂犬病は「発症すると致死率ほぼ100%」の非常に恐ろしい感染症です。医学が発達した今でも治療法がありません。狂犬病にかかった犬が人を噛むことで人にも狂犬病が伝染します。
日本では昭和32年を最後に狂犬病の発症はありませんが、世界中では狂犬病は存在し、ひとたび日本に入ってくれば、撲滅は難しく社会不安に繋がるリスクがあります。(日本でも、外国国籍の方が外国で狂犬病に感染し、日本で亡くなることが2020年にありました)
狂犬病はそのリスクから、法律にて年に1度の狂犬病予防を受けさせることを飼い主の義務としています。
予防接種の時期
生後91日以上のワンちゃんは,狂犬病予防注射を受けることができます。
ただし、混合ワクチンを受けている場合は接種の間隔をあけないといけない場合もありますので、まずはご相談ください。
当院は京都市獣医師会に所属しており、京都市にお住まいの方は当院での狂犬病予防注射後、受付窓口にて登録・注射済表の交付手続きが可能です。(登録について:ワンちゃんの生涯で一度だけ自治体に登録が必要です。登録することでワンちゃんの登録番号が書かれた鑑札の交付を受けることができます。登録後は毎年予防注射の案内が届くようになります)
京都市以外にお住まいの方も接種していただけます。(詳しくはお問い合わせください)
猫の予防接種
ワクチンで予防できる猫の病気
猫の風邪とも呼ばれる「猫ウィルス性鼻気管炎」や「猫カリシウィルス感染症」は、治療により症状が治まった後もウィルスが体内に残り続けます。そして、抵抗力が落ちて体調を崩すと、その度に発病を繰り返すことがあります。
混合ワクチンは、そんな猫ちゃん同士でうつる伝染病のうち、ワクチンで予防できる複数の病気を1本の注射でまとめて予防するためのワクチンです。
混合ワクチンの接種には法的義務はないため、飼い主様の任意接種ですが、接種することで感染を防げる伝染病の中には、感染力が非常に強く命に関わるものがあるため、接種をお勧めしています。
混合ワクチン成分 |
猫3種混合ワクチン |
猫カリシウイルス感染症 |
○ |
猫ウイルス性鼻気管炎及 |
○ |
猫汎白血球減少症 |
○ |
ワクチンで予防できる猫の病気
子猫は生まれると初乳という親からの免疫を譲り受けます。
この免疫は生後8~10週で徐々に失われていきます。
子猫に3種混合ワクチンを初めてする場合、この免疫の切れる生後8~10週に1回目の接種をして、その後1ヶ月後に2回目の接種を行います。
子猫に3種混合ワクチンを初めてする場合、この免疫が切れる生後8~10週に1回目の接種を行い、初年度には
合計3回の接種が必要となります。詳しい接種時期についてはご相談ください。
寄生虫予防(予防薬)
フィラリア症
フィラリア症は予防が大切
フィラリア症は「犬糸状虫」という寄生虫が心臓や肺の血管に寄生する命に関わる感染症です。
犬糸状虫と名前に「犬」と含まれていますが、猫も感染します。猫の場合は少量の感染でも犬よりも重篤な状態になると言われていますそうならないためにもお薬での予防が大切です。
フィラリア症の感染経路
フィラリア症は蚊が媒介する感染症です。
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蚊がフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)に感染している犬を吸血すると、その幼虫が蚊の体内に入り、成長します。
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その蚊が健康な犬を吸血すると、フィラリアの幼虫がその犬の体内に侵入します。
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犬の体内に侵入した幼虫は、数ヶ月かけて心臓や肺の血管に移動して成長します。成虫になると、心臓や肺に負担がかかり、咳、疲れやすい、運動を嫌がるなどの症状が現れます。進行中に命に関わることもあります。
フィラリア症の予防法
フィラリアの侵入を防ぐことはできませんので、体内で成長する前に駆除することでフィラリア症を予防します。
1. 毎月の予防薬
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動物病院で処方される予防薬を毎月投与することで、体内に侵入した幼虫の成長を阻止します。
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当院で取り扱っている予防薬は犬はチュアブル、錠剤、猫はスポットオン(首元に塗るタイプ)があり、動物の性格やライフスタイルに合わせて選べます。
フィラリア・ノミ・マダニ・お腹の虫を1種類の予防薬で予防できる「オールインワン」タイプが当院では人気です。
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最近では、1年中を通して蚊の活動が懸念されています。そのため、1年を通した予防も推奨されています。
2. 血液検査
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予防薬を始める前には、フィラリア症に感染していないことを確認する血液検査が必要です。
犬の場合、お薬の処方の際には必ず検査を行います。当院では抗原検査を行っています。
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猫の場合、血液検査で感染を調べることが難しいので、聴診等を行います。
外部寄生虫予防(ノミ・マダニ)
ノミやマダニ、耳ダニなど、身体の外側に寄生する寄生虫を外部寄生虫と呼びます。
特にマダニは、犬や猫だけでなく人間にも感染症を媒介するため、毎月しっかり予防薬を投与しましょう。
外部寄生虫の感染経路と起こす病気や症状
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ノミ
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感染経路
ノミは草むらや公園、他の動物と接触する場所で感染することが多いようです。また、直接日の当たらない、暗くて湿気のある場所を好むため、室内での繁殖が盛んです。
起こす病気や症状
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液に含まれる成分に対してアレルギー反応を起こし、咬まれた箇所以外の皮膚にもかゆみや炎症が見られます。
ノミ刺咬症
ノミに咬まれた刺激と、唾液に含まれる成分に対するアレルギー反応により、強いかゆみを生じます。
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マダニ
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感染経路
マダニは草むらの中に潜み、動物が近くを通ると、その振動を契機に動物の体に飛び移ります。人の服などにも付着する場合もあります。(マダニとダニは別物です。マダニは3〜8mmほどで、吸血することで体がもとの数倍に大きくなります。ダニと一般的に呼ばれるのは肉眼で見えないほど小さなものです)
起こす病気や症状
ダニ麻痺症
吸血する際に体内に入ったマダニのだ液によって筋肉が麻痺してしまう病気で、歩行異常や発声障害などを生じます。
犬バベシア症
マダニによって媒介されたバベシア原虫が赤血球を破壊し、貧血などを引き起こす病気で、食欲低下や発熱などを生じます。
SFTS
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、マダニが媒介するウイルス性疾患で、日本を含むアジア地域で報告されています。このウィルスを持ったマダニに刺されると犬や猫だけでなく人間も感染する可能性があります。犬や猫の場合、発熱、倦怠感、食欲不振、場合によっては嘔吐や下痢などの症状が現れ、人の場合は高熱、倦怠感、血小板減少、肝臓や腎臓の機能障害などが主な症状です。重症化すると命に関わる場合もあります。そのため、ワンちゃんねこちゃんには予防薬でしっかりと予防し、人も動物も必要以上にマダニがいそうな草むらを散歩しないなどの工夫が必要です。
予防方法
1. 毎月の予防薬
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予防薬を毎月投与しましょう。
当院で取り扱っている予防薬は犬はチュアブル、錠剤、スポットオン(首元に塗るタイプ)、猫はスポットオンがあり、動物の性格やライフスタイルに合わせて選べます。
フィラリア・ノミ・マダニ・お腹の虫を1種類の予防薬で予防できる「オールインワン」タイプが当院では人気です。
2. 草むらに入らせない
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ワンちゃんネコちゃんを草むらに立ち入らせない、飼い主様自身も草むらやマダニの多い環境で肌の露出を気にし、虫よけスプレーなどを使って十分な対策をする必要があります。
もし、マダニがうちの子についているのを見つけたら
マダニが付いてしまった場合は、無理に引き剥がすと皮膚の中にマダニの一部が残ることもあり危険です。
動物病院で正しく取ってもらうことをおすすめします。
内部寄生虫
内部寄生虫とは、お腹の中に寄生する虫のことです。回虫、鉤虫(こうちゅう)、鞭虫(べんちゅう)、瓜実条虫(うりざねじょうちゅう。いわゆるサナダムシ)など数多くの種類が存在します。小腸や大腸などの消化管に住み着くことで消化物を栄養源として摂取したり、腸に噛み付いて血液を吸い取ったりします。寄生されると【食欲不振】【下痢・嘔吐】【体重減少】などが起こり、便から虫が出てきたり肛門近くに卵がついたりする場合もあります。
※フィラリアも内部寄生虫の1つです。詳しくはこちら。
内部寄生虫の感染経路
経口感染
寄生虫の卵を誤って飲み込んでしまうことで感染するものです。感染した犬・猫とのスキンシップや、道路に放置されている便のニオイをかいだ際に誤って卵が口の中に入ってしまい感染することがあります。また、寄生虫の幼虫を体内に持つネズミやミミズなどの待機宿主やカエルなどの中感宿主を噛んで口に含むことで感染することがあります。
経皮感染
土の中に潜む幼虫が、皮膚から侵入して感染してしまうことがあります。
胎盤感染
母犬、母猫の体内に潜んでいた内部寄生虫が母乳や胎盤から子犬、子猫に感染することがあります。
内部寄生虫の予防と対策
1. 定期的な駆虫
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フィラリア予防薬のお薬にはノミ・マダニの他にもお腹の虫にも効くお薬がありますので、まとめて効果のあるオールインワンタイプのお薬を選び毎月投与する方法があります。
2. 定期的な便検査
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定期的に便検査を行い、寄生虫の有無をチェックすることも大切です。
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