顔貌の変化 ~後編 その2~
前回までのお話・・・
顔貌の変化を主訴に来院した、猫。
他の病院で診察を受けるも、
状態は悪化の一途。
きちんとした診断と治療を受けることを希望し、
当院を受診。
顔面の変化は重度であった。
腫瘍を疑い、CT検査と生検を実施した。
CT検査では、
左目の周りの骨が溶けていることが判明。
さらに・・・。
検査前の、顔です。
実は、口の中を見てみると・・・
歯の間から、
腫瘍が顔を出してきていたのです。
猫の顔貌に変化がみられる場合、
鼻腔内(鼻の中)の異常を考えるべきです。
- そして、鼻腔内の異常では、
- 腫瘍
真菌感染症
異物
を疑うことになります。
- そして、腫瘍では、
- リンパ腫
腺癌
その他
といったところになるでしょう。
ちなみに、
「顔貌の変化 ~前編~」の猫は、
リンパ腫でした。
そして、今回の
「顔貌の変化 ~後編~」の猫は、
腺癌でした。
治療法はというと、
リンパ腫は化学療法(いわゆる抗がん剤)、
腺癌は放射線療法
が選択肢としてあがります。
リンパ腫でも放射線は効果があるようです。
しかし、
残念ながら完治(治りきる)することはありません。
治療すれば、効果があれば、
一旦、
顔貌の変化は良くなります。
一旦、
鼻出血も止まります。
一旦、
以前の何もなかったころのように戻ります。
見比べてみてください
表題の写真と2枚目の写真を。
一旦、
良くなっているでしょ?
本当の闘いは、
ここからなのかもしれません。
この後、飼い主さんと、猫と、
しばらく、頑張りました。
その話は、
また機会があれば・・・。