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前十字靭帯 断裂

整形外科

ある程度の年齢の犬が、
後ろ足を挙上したら、
それは、
前十字靭帯断裂だ。

極論なのだが、
まあ、
前十字靭帯断裂だろう。

いや、語弊がある。

後ろ足を挙上したら、
前十字靭帯断裂をまず疑うべきだろう。
だ。

膝関節の中には、
十字靭帯と呼ばれる組織があり、
大腿骨(ふとももの骨)と脛骨(すねの骨)が
前後に動かないように保持している。
十字靭帯と言うくらいなので、
靭帯が交差している。
前十字靭帯と後十字靭帯だ。

前十字靭帯は大腿骨に対し、
脛骨を後ろに引っ張っている。
その前十字靭帯が切れると、
脛骨が前に動いてしまい、
体重をかけることができなくなる。

スポーツ選手のケガでよく耳にするのも、
前十字靭帯の断裂だ。
松井選手もそうだったような・・・



さて、
上の写真に戻りましょう。
これは前十字靭帯が断裂した犬のレントゲン写真です。


上に大腿骨、
膝関節をまたいで、
下に脛骨が写っています。
緑の矢印示したように、
脛骨が前に移動しています。

前十字靭帯の断裂と診断しました。

ただ、
前十字靭帯の断裂に関しては、
レントゲン検査を行う前に、
触診で診断はついていました。
単純に、脛骨が前に動くかを調べるのです。
それでも、
診断にはレントゲン検査は必須です。



犬が後ろ足を挙げだしたら、
触診とレントゲン検査で
前十字靭帯の断裂を調べましょう。