真菌を見逃すな! 猫の皮膚炎で真菌感染は・・・
「耳の皮膚炎で、
ずっと治療しているが、
治らない。」
こういった訴えが、あります。
どうしたって、
基本的な鑑別診断、検査から始める必要があります。
それでも、何かのヒントになることもあるので、
「通っていた病院で、検査はしましたか?」
「何と診断されていましたか?」
「治療の内容を教えてください」
これらの質問は、忘れません。
写真は、そんな猫の耳です。
赤くただれていて、かさぶたが付着しています。
痒そうです。
以前にも書きましたが、
猫の皮膚炎があれば、
真菌(カビ)の除外を忘れてはいけません。
基本は大事です。
「年齢的に真菌ではなさそうだ」
「子猫じゃないんだし」
「同居猫や飼い主にも症状ないし」
なんて、
情報だけでは真菌は大丈夫そうですが、
そこは基本に忠実に。
検査のための特殊な光を当てると、
毛が黄緑色に光っています。
「そうか、光っちゃったか・・・」
光る毛を数本抜いて、
顕微鏡で観察します。
「そうか、真菌か・・・」
念のために培養もしますが、
真菌感染症でしょう。
アレルギー性疾患や
免疫性疾患は
所謂対症療法に反応することもありますが、
真菌感染症は、
しっかり診断した上でないと、
的確な治療に結び付きません。