門脈シャント という病気 ~その1~
門脈シャントという病気があります。
門脈とは、
腸から栄養を吸収した血液を
肝臓に運ぶ血管のことで、
シャントとは、
日本語では「短絡」となりますが、
簡単に説明すると、
普通、お腹の中の血液の流れは、
門脈 → 肝臓 → 静脈
なのですが、それが、
門脈 → 静脈
になることを「短絡」と表現します。
門脈シャントは、
生まれてすぐに消えないといけない血管が、
消えずに残ってしまうことで、
起こる病気です。
その血管(シャント血管)によって、
血液の流れがおかしくなり、
いろいろな症状が起こります。
症状は、「その2」以降に書くとして、
診断の話から。
門脈シャントの
確定的な診断は、
CT検査で行います。
体を断面でみる、あの検査です。
1例をお見せします。
これは、門脈シャントの犬の
CT画像を3Dに処理したものです。
仰向けの犬のお腹です。
皮膚を半透明にしています。
皮膚と、内臓のほとんどを消しました。
骨と
主要な血管を緑色で
シャント血管を赤色で
残しています。
シャント血管の辺りに
ズームイン!
ピンクの矢印のところから
シャント血管が始まり、
青の矢印ところで
静脈に合流してしまっています。
これが、門脈シャントです。