自問自答 正義とは 自己保身の果てに
「ああ、今日も・・・」
毎朝、
開院前に玄関周りの掃除を日課としている。
週に何回か、
吸い殻が落ちている。
この辺りでは、
路上喫煙が禁止されている。
それなのに。
吸い殻を
散歩中の犬が間違って食べてしまっては、
どえらいことになる。
動物病院という観点から、
それは看過できない。
病院の前だけとは、
限らない。
周囲の道路を見る。
吸い殻があれば回収しよう。
年齢とともに落ちる視力に鞭を打つ。
吸い殻だけを拾いに行けばいいのか?
塵取とほうきを持って。
そもそも、
歩いていると、
路上喫煙をしている輩を見ることがある。
注意するべきなのだろうか?
勇気は損気?
路上喫煙禁止の場所で、
路上喫煙をしているということは、
それは、すなわち無法者だ。
無法者。
クリントイーストウッドでもない
いち獣医師では、
返り討ちに合うリスクが内在している。
正義の拳を握りしめ、
耐え忍んでいるのか、
ただの保身か。
大谷翔平なら
どうするだろう?
何て言うだろう?
今日も
回収した吸い殻を、
そっと
ゴミ箱に入れる。
