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造血剤 猫

血液内科

投与する機会が多いのは、
猫の腎機能不全。
腎臓からエリスロポエチンというホルモンが分泌されているのだが、
そのエリスロポエチンが枯渇しくると、
貧血になってします。
エリスロポエチン製剤は、
そんな貧血に用いる注射薬です。

さて、このエリスロポエチン製剤、
上の写真は、
猫用のものです。
2年前から発売されているもので、
それまではヒトの
エリスロポエチン製剤を使用していました。



以前(十数年前)、
特に猫の腎臓からの貧血にたいしては、
ヒトのエリスロポエチン製剤を
週に3回投与していた時代がありました。

週3回、通院してもらい
注射をするのです。
大変でした。
飼い主さんも
本当に大変だったと思います。

それが、新たな製剤が利用されるようになり、
週1回の投与でよくなったのです。
週1回の通院も大変ですが、
それまでが週3回だったことを
知っているだけに、
かなり楽になったとしか思えませんでした。

それが、
2年前に写真にある
猫用の製剤が発売されたのです。
なんと、これが、
2週間に1回の投与でいいのです。
月に2回です。
技術の進歩です。
獣医学の進歩です。



ただ、欠点がなくはない。
この猫用の製剤、
1本で、体重3kgまでの猫に使用できる量になっているのです。
つまり、
4kgの猫なら
2本必要になるのです。

2本つかうと
結構な金額になります。

猫って、たいてい4kgあるんじゃない?