ブログ

薬(内服薬)の話 ~はじまり~


今回は、
内服薬(飲み薬)のお話。

動物病院で扱う「内服薬」には、
2種類ある。
「人薬」と「動物薬」だ。

「人薬」とは、
読んで字のごとく、
人用に開発され、人用として認可され、人用として販売されている薬のことだ。

「動物薬」とは、
動物に認可のおりた薬のことで、
ここで話題にするのは、
「犬用」もしくは「猫用」のものだ。



「動物病院なんだから、
 犬には犬用の薬を、
 猫には猫用の薬を、
 処方しているんでしょ」

実はそうではないことも多い。

犬には、当然「犬用」の薬を
猫には、当然「猫用}の薬を
処方する方が良いだろう。

では、
なぜ、そうではないことが多いのか、
それは、「人薬」と「動物薬」との
違いを考えてみる必要がありそうだ。



まずは、その数や種類といった「豊富さ」だ。

「人薬」は「動物薬」に比べて、
圧倒的に「豊富」なのだ。

例えば、解熱鎮痛薬のNSAIDsをみても、
犬用として、販売されているものは
ジェネリックを入れても、
10種類にも満たないだろう。
それに比べ、
人用は、検索してみると、
それだけスクロールしても終わらないくらいに
種類が多い。

なので、
「この病気に使える、この薬が必要だ」となっても、
「犬用」では、そのカテゴリーの薬がない場合が多く、
「人用」では、そのカテゴリーの薬が数種類も存在する。
「人用」の薬で、犬を治療することになるのだ。